皆さんは、家族で不動産資産の出口について話す機会はありますでしょうか?特に出口として避けられないのが、“相続”です。相続の話題はデリケートな部分もありますが、親世代から切り出すのと子の世代から切り出すのと、どちらがよいでしょう?
実際に私たちが経験した多くの事例から、相続を考えるヒントになれば幸いです。
相続の話題を切り出すうえで起きやすいケースとは
相続の話題は、とても繊細です。特に子供世代からすると触れづらいことも多くあります。「親子関係が険悪になるかもしれない」「親の老後を気遣っているつもりでも財産を欲しがっていると思われるのではないか?」と心配されるケースも多くあります。しかも、こういった心配は、ちょっとした言い方次第で、実際に起きてしまうようです。
「言い出せないまま、親が認知症になってしまった。」「分け方が決まっていなかったため、兄弟、家族ぐるみで険悪な関係になってしまった。」。特に準備が整っていないまま相続を迎える場合、経緯はよく似ていて、親が元気なうちは「今、元気な状態の親に話しても嫌な思いをするだろう」、だったり親の体力の衰えが見えてくると「こんな状態ではとても話せない」と親を気遣いながら時期を見失った状態で、相続を迎えているケースが多くあります。また、親世代にしても子供から相続の話を振られると少なからずショックを受ける方も多いようです。準備が必要と分かっていても「自分が死ぬのを待たれているよう」「なんとなく子供から言われるのは気分がよくない」と感じることが多いようです。このように子世代から相続の話を切り出すと、お互いに気持ちよく相続の準備を始めるのはなかなか難しいといえるでしょう。
親世代が準備し、子世代に寄り添う
円満相続を迎えているご家族は、親世代が相続の方針を決めて対策をしています。さらに子世代と共有することで、相続後の思いがけないトラブルもないように準備をしています。
円満相続に向けて、まずは財産の洗い出しから取り掛かりましょう。次に、ご自身が亡くなった後の心配事が何かを洗い出します。残される家族の今後の生活に不安はないか、遺産の分け方でもめ事が起きないか、必要な方は相続税の負担や承継する事業等についても考えてみましょう。そのうえで、とるべき対策を講じていきます。
そしてぜひ、思いを実現する遺言書を作成しておきましょう。もし、対策が必要だったり、家族で話し出すきっかけがつかみづらい場合は、専門家の手を借りることも考えてみてください。
何が最適な対策か判断ができない場合には、書籍等で十分な知識を得ても解けない、専門家の知識と経験が必要な難しい課題です。また、相続、というよりはまずは身近な空室の相談や資産のメンテナンスの話から話を振っていってもいいかもしれません。私どもにもご相談いただければご家族の懸け橋となるサポートもさせていただくことができると思います。
ぜひ相続について、ともに考えてみましょう。