不動産を所有されているオーナー様にとって、物件の長年の使用による劣化は頭を悩ませる課題です。特にこの季節は台風などの被害もあり、物件の痛みを実感しやすい時期かと思います。また、見た目は入居募集にも大きく影響してきます。今回は長く物件を保っていくうえで避けては通れない大規模修繕について考えましょう。
実は秋から冬の初めにかけては、全国的にも外壁塗装や屋根の補修といった大規模修繕をされるオーナー様が増える時期です。実は様々な要因が絡みやすく、オーナー様にとっても、タイミングの良い機会だといえるでしょう。
【そもそも、大規模修繕が必要になりやすい】
大規模修繕をやらざるをえない、そんなトラブルが出やすいのがこの時期です。台風で屋根・外壁が壊れた、というようなケースが多く出てきます。また、そもそも物件の見た目が悪くなかなか入居に繋がりにくい長期空室の物件は、募集本番の来年春の繁忙期に向けてしっかり改善していく必要があります。
【節税対策や工事費用から年で最後のタイミング】
大規模修繕の経営的なメリットは、節税効果があることです。しかも、1年間の収支がある程度わかってくる時期ですから、よりオーナー様の経営状況に合わせてコントロールがしやすい時期、ということになってきます。また、外壁塗装などは気温や日照時間が短く施工期間もかかり、人工代等が増えることで工事代金が高くなる傾向があります。一方で春先の入居シーズンに足場がかかっているようでは、お部屋探しにとってあまりいいイメージになりません。
長い賃貸経営の中で、大規模修繕というのはそうそうあることではありません。せいぜい10年~20年に1回程度のことでしょう。ですが、上記のようなタイミングや常日頃から意識しておくことで、より有利に進めることもできます。そのためには、
①定期的に物件状態をみて、痛みの度合いを見ておく
②ある程度気になるポイントがあれば修繕の見積をとって費用を把握しておく
といった取り組みが重要です。費用がかかるものですから、長く物件を保たせたい場合は、無理のない資金計画も重要です。昨今の市場背景の中では工事価格が高騰する前に工事をしておく、という選択肢も出てきています。
また、台風等の自然災害での破損等は火災保険の対象となるものもありますので、保険の範囲で工事をすることもできる可能性があります。ぜひ、ご自身の物件を定期的に見ながら、ベストなタイミングで大規模修繕を実施していきましょう。