2022年9月1日より、改定版「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」及び「表示規約施行規則」が施行されます。この規約が改定されることにより、不動産の広告などでのルールが変わります。変わる内容については、規制が緩和されるものと、規制が強化されるものがありますが、今回はそのうち「交通の利便性・各種施設までの距離又は所要時間について」の主な5つの変更点を確認しましょう。
1)分譲地などは遠い住戸の所要時間等も記載が必要に
×「●●駅まで徒歩2分」 → ○「●●駅まで徒歩2分から5分」
販売戸数(区画数)が2以上の分譲物件においては、最も近い住戸(区画)の徒歩所要時間等を表示することとしていましたが、これに加えて最も遠い住戸(区画)の所要時間等も表示することとしました(規則第9条第8号)。
2)通勤時と平常時で所要時間が著しく異なる場合に、平常時時間の併記が可能に
「A駅からB駅まで通勤特急で35分」※平常時は特急で25分
→ 赤字部分を記載してもOKになりました。
「通勤時の所要時間が平常時の所要時間を著しく超えるときは通勤時の所要時間を明示すること」と規定していましたが、これを「朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示し、平常時の所要時間をその旨を明示して併記できる」と変更しました(規則第9条第4号)。
3)乗り換え時間等も含める必要 「最寄りのA駅からC駅まで30分~33分」
※B駅で●●線に乗り換え ※上記所要時間には、乗換え・待ち時間が含まれています。→ 上記の所要時間に乗り換えに概ね要する時間を含める必要があります。
販売戸数(区画数)が2以上の分譲物件においては、最も近い住戸(区画)の徒歩所要時間等を表示することとしていましたが、これに加えて最も遠い住戸(区画)の所要時間等も表示することとしました(規則第9条第8号)。
4)距離表示の起点を物件の出入口に
→ 敷地出入口を起点とするのは規定上不可となります。
物件の起点について、マンションやアパートについては、建物の出入り口を起点とすることを明文化しました(規則第9条第7号)。
5)物件基準での所要時間表示に
●●駅から徒歩10分→●●駅まで徒歩10分
交通の利便について、最寄駅等から物件までの徒歩所要時間を明示するよう規定していましたが、これを物件から最寄駅等までの徒歩所要時間を明示すること(バス便の物件も同じ。)に変更しました(規則第9条第3号)。
引用・参考文献「表示規約同施行規則 主な改正点2022年9月1日施行」不動産公正取引協議会連合会